MRとは?
MR(Medical Representatives)は、製薬企業の営業を指します。
日本語に直すと ” 医薬情報担当者 ” 、ひと昔前はプロパーと呼ばれていました。
通常の営業と大きく異なる点があり、それは、「お金を触ることがない」ことです。
どういうことか?
MRあくまでもお医者さんや関係者の方へ薬を適正に使用していただくために医薬情報を提供する人になります。
情報を扱うことが専門になるため、代金を回収するなど直接お金を触る業務はないと思っていただいて良いです。
薬剤費を下げろ、値下げしろという要求はありますが、最終的な価格交渉は卸(メディセオ、アルフレッサ、スズケンなどが大手)がしてくれます。
そのため、お金を触ることがないのです。
ちなみに管理人はMRと認知されつつある時期の入社組です。
MRは厚生労働省令でもしっかり定義されており、社会的責任のある仕事の一つと言えますし、営業と呼ばれないよう管理人も意識をしています。
参考)医薬情報担当者とは、医薬品の適正な使用に資するために、医療関係者を訪問すること等により安全管理情報を収集し、提供することを主な業務として行う者をいう。
「医薬品等の製造販売後安全管理の基準に関する省令」(厚生労働省令第135号)より
MRと年収
MRの年収は?
就活や転職を考えている方は、既にご存じな方もいるかもしれませんがMRの年収は平均と比べても高い傾向にあります。
厚生労働省のデータによると、MR(医薬情報担当者)の平均年収は約545万円。
参考:厚生労働省 職業情報紹介サイト
また国税庁の発表では、日本人の平均年収が約467万円です。
参考:国税庁 平均給与
そのため、MRの年収は平均より約80万円も高いことがわかります。
捕捉になりますが、MRの年収は研究、開発、事務方よりも1割ほど高いです。
理由は日当手当、MR手当といった補助が充実している企業が多いからです。後述にて詳細あります。
下記の表は東証プライムへ上場している平均年収1000万超えの企業を列挙しております。
ここ最近では、中外製薬の成長が著しく、数年で1000万を突破してきました。
MRのお金に関する補助
MRは、労働時間制に該当する職業であるため、深夜22時までは残業代が出ません。
ただし、製薬会社に勤めるMRには、基本給にプラスして「日当手当」がつくことが多いです。
会社によりますが、1日当たり2500~4000円の営業日当が、営業日数分(2022年6月を平日フルで働くと22日)を掛けた金額が日当手当になります。
毎月5~9万円程度の上乗せとなり、日当手当には税金がかからないことが最大のメリットになります。
外資系の製薬会社は、「手当」の代わりに上乗せされた額が給料として支給されることがほとんどですが、国内企業は「手当」の支給が一般的です。
といっても最近は給料としての支給に切り替わっている国内企業も増えており、そのうち無くなるのではないかと思います。
MRに付与される手
この手当に加えて、MRは「家賃補助」も充実しています。
「全国転勤」ありきの職業であるためか、家賃補助は他の業界と比べても図抜けていると思っています。
外資系/国内企業、大手/中堅以下などの条件により、家賃額の上限はバラつきがありますが、家賃補助は6~8割(家賃上限は有り)です。
例えば、都内、妻子持ちの方であれば、20万の2LDKマンションに住むための手出しは4~8万円程度、
都内、20代独身の方であれば、9万のワンルームマンションに1~2万円程度で住める方が多いです。
年収には反映されませんが、年間で100万円前後の補助を受けていることになります。
その他に、出産手当、生命保険や医療保障など、さまざまな制度が充実しています。
医療保障も例えば、高額療養費制度(高すぎる医療費には上限を設けて返金してくれる制度)というものがありますが、
支払いは月2万円を上限とする会社もあります。医療費が月100万円掛かっても、2万円で済むので正直大丈夫か?と思うレベルです。
一般的に知られている大手の製薬会社であれば、生活に困るようなことはないでしょう。
これだけを見た方は、MR最高じゃん!絶対やめないぜ!と思われる方も多いと思います。
実際、20~30歳代における同世代の中では年収はかなり高めですし、新薬をバンバン上市できる企業であれば仕事も楽しいです。
次の記事ではMRの将来性について考察したいと思います(ようやく副業の必要性の話になります)。